屋久島の木材で木造新庁舎建設が実現します!

夏が過ぎ、屋久島はスッカリ芙容の季節になりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。ずいぶんと更新せずにおりました間、屋久島で動き始めた一大プロジェクトに身を投じておりました。

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屋久島町ではそれまで北と南の2つの町に分かれていましたが、平成29年に合併して以来、100㎞内に点在する24の集落と属島の口永良部島の行政の効率性と機動性の向上を図るために、本庁舎の建設が計画されていました。また、島内産材を最大限利活用することで、地元産材の安定供給と低コスト化を図り、停滞している島内の林業再生を図るために「木造」での建設が、平成26年第4回屋久島町議会臨時会で正式に決定しました。

特に屋久島は杉が天然に生息する南限地でありながら、建設用材としての伐採は少なく、島内産材がほとんど流通していないなどということから、議会決定の1年前より「屋久島町庁舎建設検討委員会」が設置され、「木材生産者」「木材加工業者」「工務店・大工」などを対象に、設計実現に向けて全4回のワークショップが開催されました。その中で、

●庁舎を分棟の集合体とすることにより防火の制限を緩和し、地域材を使用し地元関係者(大工・工務店)で建設することを基本とする。

●必要な木材について、事前に調達する計画。

●島内製材所の製材量の余力合計により、製材は地元で対応する。

●設計者は提案型によって木材建築の経験が豊富で、屋久島の地域性を理解するものを選定。

という課題を揚げた結果、平成26年10月に行われた公共木材建築の実績を重ねるアルセッド建築研究所の設計案が採択されました。(写真は9月の設計発表会時のもの。)

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現在、丸太の搬入と荒製材作業が行われています。

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木材搬入作業:橋口木材加工センター

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製材作業:有水製材所、トマリ、工房屋久島

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6月には木材の強度や含水率、密度を調べるために木材ストックヤードで試験が行われたのち、設計プランから見積もられた木材製材作業が進められてきました。

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こんなにガラリとしていたヤード内も、

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たちまちに製材が貯まりだしました。

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賑やかです!

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屋久島町木造新庁舎建設の実現を、民と官で歩幅を合わせて共に取り組んでいます。

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弊社では、建築木材管理一式を担っております。完成は平成30年3月末予定。また追々レポートさせていただきます。