家づくりに取り入れるまではなく生活に取り入れることができるものを、島の職人さんにつくってもらえたらもっと地杉の魅力を皆さんへお伝えすることができるのではという思いでこのプロジェクトを立ち上げました。
杉は柔らかさと硬さの両方を併せ持つ性質であるために、ものづくりの技量が試される木材であると言っても過言ではありません。言い変えれば、技術を育んでくれるものであります。そしてこれらが皆さんの手元へ届けられたとき、暮らしの中で育まれる大切なものをともにシェアするアイテムとしておつかい頂けるように心を込めてお届けいたします。
屋久島は、1000 メートルから 1900 メートル代の山々が連なる、 海に浮かぶ島です。温帯地域にありながら、標高の高さもあるため植物相の多様なことがこの島の最大の魅力です。標高によって、生息する植物が変わり、人気の登山スポットでもあります。
島の深い森の中では様々な樹木が生息しています。岩盤の上のしかも乏しい養分の土に根を張り、ひしめき合って生来ている姿はとても迫力があります。
今では奥山でしか見なくなった背が高く太い体をもつ木々の中で特に有名な屋久杉をはじめ、つが、もみ、くす、たぶ、山ざくら、いす、かし、しいなども雨が多く台風が通り、手つかずの鬱蒼とした環境で立派に成長し、この島に人を呼ぶ森の一部となっています。 時には多種類が 1 本の木に集まって生きる姿も、原生林の森だからこそ見ることができる植物の世界です。
世界自然遺産登録の原生林の森や国有林に生息する木の伐採は、今は行われていません。しかし、それらの森と同じ天候条件の中で育った森の木は、たとえ人が植林した木であっても、特質性をもつ木がある、ということを知っていただきたいと思います。その代表的なものが、屋久島の人工林の杉になります。私たちのものづくりは、屋久島のこの地杉と呼ばれる人工林と、島で昔から行われてきたものづくりや島の木をつかうこと、手刻み加工をする家づくり、 からヒントを得て始まりました。
戦後に植林され、伐期を迎えている人工林の有効活用への取り組みが課題化されたと同時にわたくしたちが地杉について学び始めた時、地杉について知れば知るほど、木肌とその香りに惹きつけられずにはいられませんでした。 製材を仕立ての表面はまるで水にぬれたよう、年輪とそうでない部分のコントラストの強さ、甘い香りがまるでフレグランスのように香るからです。
角材の断面が丸ごと真黒く、 乾燥しても重くて大工さん泣かせ。安価という理由で供給が多い外来の杉材とはまるで別物ではないか、と思えるほどに個性を認めずにはいられませんでした。
材が重いということは、中身が詰まっているという事になります。その中身は主に、水と樹脂その他諸々ということになりますが、 この重さが建築材として乾燥を十分に行ってもあるということが、地杉の建築材としての信頼を裏付けることになりました。
この魅力と能力をぜひともおつかい頂きたい!そのような思いで創立より地杉材をふんだんに取り込んだ家づくりをご提案しています。 もちろん、地杉だけでなく、その他の種類の島内木材についても、適材適所、ご縁のある木材を使わせていただいております。
屋久島の木材でお家を建てたいけれど、島へ移住をするわけではないので輸送など、コスト的に実現が難しい。島の自然を身近に感じながら生活をしたい。島の木材でつくられた机が欲しい、などなど。 島内外からのそんな声にお応えして、弊社では家具やおもちゃを地域の職人さんや作家さんと一緒につくった屋久島の木材でつくった製品を販売しています。
決して便利で都会的なセンスにはない、どこかノスタルジックだけど暮らしにとけこむ。 そんなものづくりをコンセプトに、つくり手と売り手がコラボレートを組んだ、屋久島発のものづくりです。
なお、職人さんが天然木材で一点一点丁寧につくる製品ですので、ご注文を頂いてから、お届けまで、 1 か月~2 か月の間、お待ちいただくことがございます。予めご了承を頂けますと、幸いに存じます。
「はぐ×くむプロジェクト」は、わたくしたちとお届け先の島の森を思う気持ちが、 また、 地球上の森を思う気持ちが、 そして快適な暮らしのために幸せが「育まれる」ように祈りを込めて活動をはじめました。
どうぞ、ご遠慮なく弊社までお問い合わせいただきたいと思います。